1婚前契約書とは?
婚前契約書とは、主に結婚前にお二人がこれからの結婚生活について、それぞれ守ってもらいたいこと、確認しておきたいことなどを文章化しておくものです。
海外ではプレナップと呼ばれ、特に欧米で多くのカップルが活用しています。
欧米といえば、思いつくのが離婚率の高さ。もしかして、離婚するときのために作っておくものなのかと思われるかもしれません。
いいえ、違います。
現在の日本では、ライフスタイルの多様化により、結婚のスタイルも様々です。
実際に入籍をしない形の事実婚や同性婚、また国際結婚やステップファミリーも増えています。
従来の日本における画一的な結婚のスタイルから、それぞれのライフスタイルや考え方によって結婚のあり方も多種多様なものに変わってきているのです。
結婚式ひとつを見てみてもハデ婚、ナシ婚、フォト婚など様々な形があります。
そんな中で、今後の結婚生活において、よりお二人らしい生活を実現するため、結婚前にお二人で様々な取り決めをしておけばどうでしょうか。
あれもこれも、ということではありません。ほんの一行でもよいのです。
これからのお二人の素敵な結婚生活のために、婚前契約書を作ってみませんか。
2どんな人に必要ですか?
婚前契約書を作成することで次のようなメリットがあります。
- お互いの考え方をよりよく知ることができる。
- 財産・親族関係などについて自分の考えを相手に伝えることにより、無用なトラブルを避けることができる。
- お互いに譲るところ、譲れないところを明確にすることでよりスムーズに新しい生活のルール作りが行える。
このように婚前契約書を作成することによって、新生活を迎えるにあたり、お二人がお互いの考え方を伝え合い、家庭を運営していく上での基盤作りをすることができます。
お住いの場所、お仕事、家族構成…カップルの数だけ形はそれぞれです。
ですから、婚前契約書作成は、どなたにもメリットがあるのです。
事実婚の方は、お二人の「婚姻意思があること」「社会的・習俗的に夫婦と認められる実質を有すること」を補う書面として、婚前契約書を作成されてみてはいかがでしょうか。
この場合、法律上の夫婦にできるだけ近い形で、お互いの権利義務を決めておくことが望ましいです。
3どういうことを書けばいいのですか?
書いていただく内容はお二人で決めていただきますが、ご相談下さいましたら書き方や内容のアドバイスもさせていただきます。
例えば次のような項目があります。
- 家事の分担、生活費の分担について
- お互いの資産の管理について
- 結婚後や出産後の仕事について
- 育児について
- 親の介護について
- 双方の親族との付き合い方
- 趣味について etc…
- お互いに尊重し合い、笑顔の絶えない家庭を共同して作ります。
- 夫の仕事上の付き合いを妻は理解します。ただし帰宅が22時をまわる場合は必ず連絡を入れます。
- 育児は夫婦二人でする意識を持ちます。将来の学資のため就学まで月1万円の積み立てを目標にします。
- 夫のための書斎を設けます。趣味についても生活に影響がない限りにおいては尊重します。
- 年に1回は忙しくても家族旅行をします。
- お互いの結婚前から保有する資産の管理は各自で行い、一方は関与しません。
抽象的なことから具体的なことまで、相手に伝えたい事・これだけは譲れないこと・二人の将来の目標など様々なことを書いていただけます。(注意事項は4で説明しております)
※上記は内容の例示となります。
実際に契約書として作成する場合は、法律用語などを使用した文章になります。
4専門家に相談するメリットはなんですか?
婚前契約書はお二人だけで作っていただくことも可能です。
しかし、契約書の内容はどんなことを書いてもよいというわけではありません。
お二人だけの契約であっても、公序良俗(※)に違反する契約は法律的に無効となります。
ではどのようなことなら書いておいてもよいのか、また何を書いたらよいのかわからない、などという疑問をお持ちになることでしょう。
行政書士は書類作成のプロです。また当事務所ではファイナンシャルプランナーとしての立場からもお客様のライフプランニングをアドバイスさせていただくことが可能です。
結婚は人生の一大イベントです。
専門家にご相談いただくことで、よりご納得いただけるものを提供させていただくことが可能です。
婚前契約書を作成されたお二人は当然その内容を守らなければなりません。
もしも守られない場合、婚前契約書のみでは契約内容の実現を相手に強制させる法的効力はありませんので、どうしても実現させたい場合には原則として裁判手続きをとる必要があります。
現在の日本において裁判となった際には「婚前契約書」は証拠として取り扱われ、裁判上の大切な参考資料となります。よってその内容を決めていただく際にはよく考えることが重要であり、書類作成の専門家として行政書士がお二人の婚前契約書作成をサポートいたします。
(※)公序良俗とは…公の秩序または善良の風俗のことです。犯罪行為や暴力行為はもちろん、相手を著しく不快にさせる行為なども含まれます。
久山行政書士事務所では、お二人の契約書作成の意思をより証明したい方には、公証役場における私署証書(宣誓認証)をご案内しております。
私署証書の認証とは、作成者の署名捺印等のある私文書の署名捺印等の真正を公証人が証明することです。これによりその文書が真正に成立したこと、作成名義人の意思に基づいて作成されたことが推定され、契約書としての証拠能力が高まることが期待できます。
5どんな形になりますか?
6なぜ結婚する前に作るのですか?
婚前契約書はその名の通り結婚前(入籍前)に作っていただくものです。
その理由として、次の法律が関係します。
民法754条[夫婦間の取消権]
夫婦でした契約は、婚姻中、いつでも、夫婦の一方からこれを取り消すことができる。ただし、第三者の権利を害することはできない。
この法律によって、結婚後にされた契約は、どちらかが一方的に取り消したいといえば取り消すことができます。
しかし、結婚前であれば、他人同士の契約として扱われますので、相手の合意なく、一方的に取り消しをすることはできません。
そのため結婚前に契約書を作成することで、よりお互いに約束を守る気持ちを強く持つことができるのです。
なお、結婚後に契約書を作る場合は「結婚契約書」という形をとります。
内容としては同じものになりますが、上記の法律により、結婚契約書の内容はどちらかが一方的に取り消すことが可能になります。
結婚契約書作成ご希望の場合も、当事務所までご相談ください。
7費用はいくらくらいかかりますか?
当事務所では次の通り設定させていただいております。
(結婚契約書作成の場合も同じ料金になります。)
基本料金(税別)
オリジナル用紙 16,000円
無地の用紙 13,000円
■基本料金に含まれるもの
- ご来所の場合、初回含め最大3回まで打ち合わせ費用(各30分)
- 用紙1組・郵送料
※用紙1組につきご記入いただける条項は10項目までです。
※打ち合わせ費用につきましては回数が3回未満であっても清算はいたしかねます。あしからずご了承ください。
お電話・メールでのご相談は随時承ります。
■オプション料金(税別)
- 打ち合わせ費用4回目~ 30分につき3,000円
- 追加条項 1項目につき1,000円
- 簡易保存ホルダー2個セット 2,000円
- 出張依頼の場合は公共交通機関往復分の交通費
※公正証書ご希望の場合は別途お問合せ下さい。
■追加・変更について
契約書作成後の内容の追加・変更は随時有料にて承っておりますのでご相談ください。
婚前契約書の場合、結婚後に追加・変更された内容につきましては、6に記載の「夫婦契約取消権」の対象となりますので、ご注意ください。
■婚前契約書作成に要する時間について
お二人で意見を交換し合い、じっくりと話し合っていただくためにも、およそ入籍の三カ月前から作成を始め、一カ月~半月前には完成させておくことをおすすめします。
結婚前はなにかと忙しい時期ですので、余裕を持ってご依頼ください。
もちろんお急ぎの場合にも対応させていただきますので、まずはご相談ください。
ご自身で作成された婚前契約書や結婚契約書の作成指導も行っております。
内容に関してのアドバイスのみを必要とされている方も、お気軽にご相談ください。
- 料金は8,000円(税別)になります。ご来所での作成指導は相談料1回分を含みます。
- 一度ご連絡いただいた上で、郵送・メール・ご来所のいずれかの方法でご相談をお伺いします。
その他ご要望がございましたら、可能な限り対応させていただきます。